訃報の続報
恩師の死に関して、先生と共同研究を続けてこられた私のもう一人の師匠から英文のメールが転送されて来た。
そこには、次のように記されていた。
「His
will was that he didn't want his funeral. His ashes were scattered somewhere in
Japan.」
『葬式を望まなかった彼の(体たる)灰は、日本のどこかに(ひっそりと)撒かれた』
死んだ後は何も残さず、地上に住むネズミや虫や、そんな生命と同様の扱いを望んだということだろうか。
『武士道は死ぬ事と見つけたり』という言葉があるが、死に方の表現は、その人の真意を量る究極ではなかろうか。人が立派なことをやると「裏はこうだ」などと憶測して蔑むことは簡単にできる。しかし、命がけでやったことは否定できまい。先生は葬式を望まなかった。灰を収めたモニュメントも望まず。他の生物と同じにしてもらうことを望んだ。これが先生のやってきたことの真意の証明だと思う。
人類皆兄弟。人種差別は間違っている。いやいや地球は人類だけのものではない。そう言っても人生の最後を大きなお葬式で飾り、末代まで、お墓参りに来てもらえるようなことを目指して生きている人(実は特別扱いされることだけが真意だった)が殆どだもんなあ。
Posted: 火 - 1月 23, 2007 at 07:29 午後