はだしのゲン
子供の頃に読んだ漫画がドラマ化された。小学生の時に少年ジャンプで連載されていた。
知ってる人も多いと思うが最近の若者は知らない人の方が多いんだろうな。
原爆にあった家族を描いたバリバリの反戦漫画である。主人公、元(ゲン)の父ちゃんは人前で
「戦争はバカらしい。」
「日本は戦争に負ける。」
「日本は戦争をしてはいけない。」
と公然と言える信念のある貧乏人(下駄職人)である。父ちゃんがこんなだから、警察にしょっぴかれるわ、子供は意地悪されるわ、長女なんか泥棒と決めつけられて学校で校長に裸にされて調べられるわ、今では(私の子供の頃でも)信じられないような事をされる。戦争に反対する者は臆病者と呼ばれ疎まれた当時、それでも堂々と言い張れるとは、実はそっちの方がよっぽど勇気が必要だったことは想像に固くない。
この漫画に描かれる主人公一家(中岡家)をあらためて見ていると、私の家族と重なって見える事に驚いている。私の祖父は戦時中に警察官だった。柔道の大家だったと聞いているが戦争には反対であったらしい。北海道の奥尻島に駐在しているときだったか、皇族がやってきたとき酔っぱらって出迎え、敬礼して(わざと?)ずっこけたらしい。駐在所に憲兵が「非国民の○○(祖父)を出せ!」と乗り込んで来た時は、ばあちゃんが、「連れて行くなら私を殺してからにしろ!」とこれまた凄い剣幕で、女一人で憲兵を追い払ったのが語りぐさになったんだそうだ。これは札幌の大学院に在籍していた時に父の友人から聞いた。父からは、「子供の頃、警察が没収した「危険思想の本」を駐在所の牢屋の中に潜り込んで読んだ」と聞いた。
はだしのゲンには、泥棒呼ばわりされた長女のことで、父ちゃんが学校に乗り込んでくる場面がある。そう言えば、私の弟が中学校で髪の毛が長いと先生に髪を切られた時に、私の父は学校に乗り込んで行って他人の子供の体(髪の毛)を勝手にどうこうする権利は無いと意見したことがあったっけ。
そういうわけで、私の一族は中岡家ばりの過激な家系なのだなあ・・・とドラマを見ながら思った次第です。
Posted: 金 - 8月 10, 2007 at 10:28 午後