TimeDomainスピーカーと天文台建築の共通点


TimeDomainのスピーカーに対する考え方が大分解ってきた。要するに・・・

1)スピーカーユニットは仮想グランドに固定する
2)エンクロージャーは背圧を逃がし、可聴域の不要振動を起こさず、スピーカーユニットに振動を伝えない構造

ということになる。

 これって実は天文台建築と非常に似ている。それは・・・

1)望遠鏡は固い岩盤を基礎とする振動しない専用の柱上に固定する
2)天文台の建物は望遠鏡に振動を伝えない構造

ということなのだ。絵に描いて並べてみよう。



どちらも振動させちゃいけないユニットを外から覆うように外装が包んでいるっていうことだ。

 そう考えるとTimeDomainの考えている理想スピーカーは以下のようになるのだろう。方式は仮想グランドに設置したスピーカーユニットと、それに振動を伝えないようにして立てかけたバッフル板よりなる平面バッフルスピーカー。ただし平面バッフルの面積(辺の長さ)はリスニングポイントとスピーカーとの距離に対して十分に大きく、リスニングする空間はリスニングポイントとスピーカーとの距離に対して十分広い(もしくは完璧な吸音)空間。

 TimeDomainの技術は神懸かりで、自作でその音に迫ることは不可能か?

私が出した答えはノーです。

TimeDomainのスピーカー設計に対する勘所は非常に明確だし、自作スピーカーにその要素を取り入れることは可能でしょう。特にTimeDomain mini や light について言えば、凌駕することも充分にできると思います。ただし、あの価格とサイズでやれるかと言われれば答えはノーです。エンクロージャの特殊な形状をプラスチック成形で実現・量産できるからやれることでしょう。逆にYoshii9は自作派の創意工夫でもっと良いものが安価に造れるかもしれません。ただ問題はお金よりも知恵と試行錯誤(要するに手間暇を惜しまぬ気持ち)でしょうがね。

Posted: 木 - 7月 5, 2007 at 02:06 午前            


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