冥王星が惑星の座から転落
惑星を12個に増やすか、冥王星を惑星から引きずり降ろして8個にするか。
チェコで行われているIAU(国際天文学連合)の総会で決議が行われた。
結局、多数決で冥王星を惑星から外すことになったんだけど。
あっちなみに、これは惑星から外される直前の冥王星の様子です。 元々が冥王星は小さい(月よりも)し、氷だし、軌道も円からかなり外れた楕円だし、今まで一番遠かったから惑星ってことになっていたけど彗星の異様にでっかいやつって趣きが強かったんだな。それが近年、カイパーベルトっていう冥王星のさらに外に氷の天体がいっぱいあるだろうって予言されていた場所に、冥王星より大きな天体が見つかってしまったのだ。#そうなると冥王星はカイパーベルト天体の仲間と見なした方が科学的にすっきりするわけだ。 でも政治的な問題もあった。なにせ天下のアメリカ合衆国が発見した唯一の惑星が冥王星だったのだよ。アメリカ天文学会の威信もあったりでもめたんだけど、最終的には科学的見識に沿った結論になったわけですな。 こういう変化ってのは天文学では良くあるんだよ。天文学は博物学的な部分があって、まず新天体を探してみる(偶然見つかる場合もある)。全くの新天体ってのは素性が判らないから現象論的(見た目とか)に命名したり分類したりする。それから物理化学的な研究が進み、性質や宇宙での立場が解明されると、ある日、元々の命名や分類と違ったものとして再編されちゃう。 アンドロメダ大星雲って知ってるだろうか。私が小学生だった70年代には、こういう呼び方をしてた。並び称されたのはオリオン大星雲。今はアンドロメダ銀河、オリオン(大)星雲って呼び方をする。その昔、メシエさんが探索してカタログした時にはM31(アンドロメダ銀河)もM42(オリオン星雲)も見た目、ぼやっと広がった天体として分類カタログされていたわけだ。今はM31は私たちの銀河系と同様の渦巻き型の星の大集団、つまり銀河の一種と認識されているわけだし、M42は銀河系の中に浮かんでいるガス雲だと認識されている。だからM42は星雲だけどM31は銀河と呼びましょうってことになったわけだ。#冥王星も太陽系天体の研究が進んで立場がはっきりしたために外されることになったわけ。 それだけ宇宙はわけのわからんモノを発見できるフロンティアということだ。
Posted: 木 - 8月 24, 2006 at 01:08 午前