ありふれた奇跡


新年から始まった山田太一脚本のドラマ
http://www.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html

実は私、青年心ついた頃から、もう・・・30年近く好きなんですよ。
山田太一。

倉本聰は「北の国から(ファーストの連ドラ)」こそ私の中でベストワンですが、トータルで見ると断然、山田太一なのですよ。

 語り出すと大変なので細かな事はやめますが、とにかく

#久しぶりに目にした山田太一の連ドラは素晴らしい!!!

これ見ると、最近のドラマがいかに「ステレオタイプの人物像」、「劇的な出来事」、「極端なシチュエーション」で魅せているのか(見せられているのか)に気づかされます。

 登場人物の人物像なんて親切に説明しない
 会話だって、お互い、わからない者同志なんだからちぐはぐ
 お互いに相手の気持ちが読めなくて、びくびくと探り合って、物語上の進展だってどかしい

だけどね。このもどかしい人間関係の中で、ふっと、あらわになる人それぞれが秘めている切実さ。
 その一瞬に、どうしようもなく隔てられているはずの相方が共鳴するんですよ。
「あっ今、この人の気持ちに触れたような・・・。」
それだけで泣かせます。まさしくありふれたシチュエーションを重ねていくだけで、台詞が語るんじゃなくてシーンが語り出します。

私は、人が秘めているそれぞれの(ある種孤独な)切実さを愛する、やさしい山田太一脚本が好きです。
いつのまにか人の切実さを感じる瞬間こそを大切に思う大人になってしまっているくらいに。

Posted: 木 - 1月 29, 2009 at 12:13 午前            


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