パンスターズ彗星

パンスターズ彗星は、はっきり言って肩透かしだ。2等級の肉眼(で見える)彗星とは言っても、この2等級とは広がった彗星全体の明るさを足したものなので、点として光っている星の2等級よりはずっと暗い。しかも見える時間帯が日の入り30分後から沈むまで。まあ6時30分から7時15分といったところだ。西空での高度は10度以下となれば春の気候特有の霞もあれば遠くに見える雲もある。夕焼けの空の明るさも無視はできない。

まあ実際に見るにも撮るにも条件は悪いってことだ。

それでも12日と本日13日になんとか粘って撮ってみた。本当は13日に月齢1日の月(地球照)と地上の風景と一緒に納めるのが写真的な狙い目であったのだけれど・・・残念ながら昨日は雨。

まずは13日のために試し撮りをした1枚から。
IMK50634
K-5 IIs + FA☆85mm F1.4 + O-GPS1(ISO 400, f2, SS5s):撮影時刻19時
どこに写っているのかわかります?
別のフレームだけど右下1/4をトリミングすると
IMK50637
霞を通してようやく見える程度でした。やっぱ地平線付近までスカッと晴れていてくれないとだめなのさ。
・彗星が減光されてしまう
・地平線ギリギリまで我慢しないと夕焼け空が暗くならない
もう一つの問題は空が明るい時はできるだけ望遠で視野を絞らないと周囲の空の明るさのせいで彗星が目立ってくれないのよ。

そこで本日はレンズを180mmにしましたよ。もう地上の風景は望めませんね。
それでも雨上がりの日なので大気中の粉塵は落ちて透明度に望みがあったのです。
しかし実際には今日も西の低空には雲があって、それに隠されるまでの時間との勝負でした。
IMK50662
K-5 IIs + TAMRON SP180mm F2.5 + O-GPS1(ISO 400, f3.5, SS5s):撮影時刻18時56分

IMK50666
K-5 IIs + TAMRON SP180mm F2.5 + O-GPS1(ISO 400, f3.5, SS5s):撮影時刻18時59分

わかっていただけますでしょうか? この3分間の違い。
沈むギリギリまで粘れれば空が暗くなるので彗星が引き立ってきます・・・が、低空の雲が容赦なく彗星を隠します。